1. 障害の概念

英語圏の表現では、障害という語は、3つの意味に分化している。つまり、Impairment,Disability,Handicapという言葉である。身体障害者のリハビリテーションを考察するとき、この用語は実にうまく表現されている。WHOは、障害について、この3つの概念を定着させてきた。

わが国でも、障害という語をこの3つの用語で解説することが多くなってきている。WHO国際障害分類試案(1985年;厚生省大臣官房統計情報部編、財団法人厚生統計協会)によれば、Impairmentという言葉は、「保健活動の経験のなかでは、機能障害とは心理的、生理的又は解剖的な構造又は機能のなんらかのの喪失又は異常である。」と定義されている。

Disabilityという言葉は、「保健活動の経験をとおして、能力低下は人間として正常とみなされる態度や範囲で、活動していく能力のいろいろな制限や欠如(機能障害に帰因する)である。」と定義されている。Handicap という言葉は、「保健活動の経験に関連して用いられる場合、社会的不利とは機能障害や能力低下の結果として、その個人に生じた不利益であって、その個人(年齢、性別、社会文化的因子からみて)正常な役割を果たすことが制限されたり妨げられたりすることである。」と定義されている。

これらの3つの概念は、リハビリテーションのプロセスをも表現している。つまり、Impairmentの問題は主に医療スタッフが、Disabilityの問題は生活訓練専門職員が、Handicapの問題はソーシャルケースワーカーがそれぞれ中心になってサービスする。

投稿日:1997年3月1日 更新日:

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