[5]MFTの信頼性と妥当性

脳卒中リハビリテーションの機能的帰結尺度に関する最近の研究は,機能の評定尺度と統計手法について批判的に検討すべきことを強調している(Merbitzetal.1989:Wrightetal.1989;Lydenetal.1991;Siversteinetal.1991.1992;Vanclay1991).

MFTは、はじめから脳卒中片麻痔患者の患側上肢の評価手段として開発された.MFSは運動回復段階(Brunnstrom1970)および運動年齢検査(Johnsonetal.1951)に用いられている発達段階の里程標となるような課題達成の順序とも,統計的に有意な関連性があり、併存的妥当性は保証されている(図4,図5).

MFTは、再検査法による信頼性も高い(患側:r=0.99;非患側:r=0.84.各p<0.01).表2にMFTの各課題についての信頼性を示す.ペグボードを除いて、信頼性係数は高い.MFTは順序尺度として作られているが,患者120名のデータを対象とした尺度解析(Guttman1950)では.再現性係数=0.940、尺度化係数=0.鮒4であり、MFTは十分に一次元性を満たしていることになる(森山・他1991).したがって,MFSは間隔尺度として扱うことも許されるだろう(Hami1ton et al.1989;Johnston1989).患者のMFSは患側上肢の運動機能障害の程度を反映すると推定され、医学的リハビリテーションの過程におけるh4FSの変化は患者がどの程度まで回復したかに対応しているだろう.

投稿日:2000年3月31日 更新日:

みんぐる

スマビー

PAGE TOP