ロービジョン患者のリハビリテーションは、限定された施設で実施されるだけでなく一般病院でも行う必要がある。個々の患者の視覚障害を考慮しながら患者のQOLを向上させる「患者主導型」の医療サービスをする事が私たちの目指すところである。眼科医師、視能訓練士、生活指導員、およびリハビリテーション・ソーシャルワーカー(ケースワーカー)が連携しチームを組んで患者のニーズを満足させるように対応していく。
評価手順のフローチャートを、図1に示す。 始めに問診、一般眼科検査、医学的評価、および予後について評価を行う。さらに、視覚的補助具の評価、および毎日の生活動作(ADL)や、コンピューター操作や社会的評価へと続く。社会復帰プログラムは、本人のニーズに基づいたゴールを中心に通常1週間位で全体の評価が終わる。訓練後のフォローアップは特に重要なので必要に応じて行う。評価プロセスは、歩行行動評価、視覚的補助具の適合評価、社会的な行勤評価の3つに分かれ、もし患者の残存視機能が活用可能な場合は、職場復帰、家事訓練等を行う。
眼科医師
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- 病歴聴取と治療
- 病名告知と予後を考慮した医学的助言
- 視機能を高めるための治療法の模索
視能訓練士
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- 視覚的補助具の選定と訓練
- 単眼鏡の選定と使用訓練
- 遮光眼鏡の選定
- 視野拡大法の適応評価と訓練
生活指導員
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- 白杖操作の訓練
- 社会適応訓練(ADL訓練、コミュニケーション訓練)
リハビリテーション・ソーシャルワーカー
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- 社会環境の評価
- 福祉サービスに関する助言
- 患者のニーズ調整
- 個人の周辺環境整備
- フォローアップ
患者のニーズを把握することはロービジョンケアの主要な課題である。医師とケースワーカー両者が、患者が何をしてほしいかを面接調査する。はじめに、眼科医が病歴聴取を行う。その次に、ケースワーカーが面接を行う。そして必要ならば全体の評価後に再度面接を行う。