4.聴覚学習

<聴覚学習のステップ>

 ① 音に気づく
 ➁ 音と音源を結び付ける
 ③ 音の意味がわかる
 ③ 音像を記憶する
 ④ 青から音源やその意味が想起できる

<聴覚活用の方法> (金山、1991)10)

 ① 人の声を愛着行為とともに伝える。
 ② 子供自身の発する音や声に関心を示す。
 ③ 子供が示す昔への関心に合わせ、音源を探索する態度を育てる。
 ④ 生活中の音と子供自身の生活行為の関連性を理解させていく。
 ⑤ 音にまつわる様々な事象(自然界、社会生活、物や場面の変化、人間の心情、行為など)を音のイメージとして描くことができるように、豊かな経験を持たせ記憶されるようにする。
 ⑥ ヒヤリングの世界を広げる工夫をする。
 ⑦ 音を聞くことを楽しむ習慣や態度を育てる。
 ⑧ 聞き取った音やことばを、自分の声やことばで表現し、聴覚的フィードバック機能を確立していく。

聴覚活用をはかるということは、聴覚がその個人の存在そのものや社会適応に、直接、間接に関与するよう体制化していくことである。そのためには、日常生活場面でたくさんの言語的、非言語的聴覚経験をする必要がある。そしてそれはただ単に音を聞くだけでなく、自ら音にふれ、音を作り出すといった感覚運動的経験を豊富にすることである。

日常的な環境は音に溢れている。その中から必要な音を選択し、聞き出していくことも大切である。この選択的聴取能力は子供の自発性、積極性と関連している。自発性が十分育たないと、“選択’’の力が養われない。周囲の状況と自分との関係から、今どの情報に注目しなければいけないかを適切に選択することが、難聴児の情報収集能力を高めていく。

スピーチは、分節的特徴と超分節的特徴をもっている。難聴児のスピーチの聴知覚は、この二重分化の知覚構造が十分できあがらないことによって問題が生じる。即ち、主にスピーチのイントネーションやリズムといった韻律的情報に依存したまま、語を構成する音節や音韻の知覚が進展しないということである。言語が学習された後や、状況の手掛りが十分にあるときは、韻律的情報だけでもスピーチの理解は類推によってかなり助けられる。しかし学習途上では、音韻的情報を取り入れ、言語の音韻構造を作りあげていくことが重要である。スピーチの聴覚像が十分形成されるよう、繰り返し丁寧に聞くこと、Auditory-VOCalfeedbackを促すこと、文字などの視覚的手段の活用などを考えていくとよい。

投稿日:1997年3月1日 更新日:

みんぐる

スマビー

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