3.補聴器の装用指導

補聴器は装用しただけではすぐに効果は得られない。ことに乳幼児ではその効果を判定するのは困難が多い。親は補聴器をすれば、すぐに聞こえるようになると考えがちである。しかし聴覚は学習されていく機能であることを親にもよく説明すべきである。乳幼児の補聴器装用後の変化では、発声の量や大きさの変化、表情や情緒的な変化がよく見られる。高度難聴では音に気づくといった変化はすぐには表れないかもしれない。子供と一緒に耳をすまし、音を発見することを喜ぶ、意識的に音を聞かせるなどの働き掛けが必要となる。

音源に近づく、音源を見せることも大切である。親や先生は、子供に近付き、顔を見て、表情豊かに話しかけ、笑いかけるべきである。子供が補聴器をしていない時でも、それに変わる補聴状態を作る努力をすべきである。例えば子供に近付き、声や音を大きくして聞かせたり、触らせて聞かせると良い。親は、子供が聞こえないと思うと話しかけることをやめてしまうことがある。子供に聞こえるように話す方法を具体的に指導する必要がある。このような指導を繰り返しながら、日常生活場面での聴覚的な反応をチェックし、必要に応じて補聴器の調整を繰り返し、最適な状態をっくっていく。このように親に補聴器の特徴を理解させ、上手な活用をはかることを目的に、装用指導がなされる。また補聴器の装用を確実にするために、補聴器の装用時間、装用による変化などを家庭で記録してもらうとよい。

<補聴器装用指導の内容>

 ①補聴器の機械の説明
 ②補聴器の保守、管理
 ③補聴器のつけ方
 ④補聴器の装用効果の見方
 ⑤音や声の聞かせ方
 ⑥注意事項

補聴器の保守・管理も、家庭でする毎日の点検、掃除、保管の他に、定期的に補聴器本体の点検も必要である。日々の点検は、子供が小さいうちは親の役目だが、徐々に子供自身が管理できるようにしていくことが望ましい。

補聴器は衝撃や湿気に弱い。汗や雨、水には十分注意が必要である。使わない時は、乾燥剤を入れたビンに入れておくと良い。

投稿日:1997年3月1日 更新日:

みんぐる

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