3) 特定時期における機能的状態の予測

表10に重回帰分析の結果を示す。MOAI, MOA2, MOA3は訓練開始から4, 8, 12週後(1, 2, 3月後)のMOAを表している。その他の尺度についても同様である。各独立変数の縦欄には, 統計的に有意な標準偏回帰係数(/3)が予測のための変数として記入してある。その他に患者数, F検定,重回帰係数,寄与率も示しておく。

表10から。入院時の機能的状態がいずれの尺度でも機能回復にとって最も影響力のある因子であることが明らかで,標準偏回帰係数も0.5以上である。発症から入院までの期間(TOA)が長いこと,高齢(AGE)であることは運動機能や知的機能,パーセルインデックスの回復にとって 負の予測因子となる。膀脱直腸障害(RECTO)と認知障害(COGNT)はバーセルインデックス の利得を抑制する因子である。眼球運動障害(OCULAR),意識障害(HYPOAR), RECTO, COGNTなどの症状や徴候は,脳卒中後の身体的,知的機能の回復に負の影響を示唆する因子で ある。

重回帰式の寄与率(RZ)は大部分の機能と特定時期において0.8以上であり,RES-4の予測の精度は脳卒中リハビリテーションでの実用性に関して満足のできるものであることを示唆している。RES-4の予測式は地域や設備も異なっている3か所の病院のデークから得られたものであり,一般的な脳卒中患者の入院リハビリテーションにおける使用に耐えると思われる。

投稿日:1999年3月31日 更新日:

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