1 日常生活動作
日常生活動作は身辺処理と家庭動作である。
個人的身辺処理は、起きる、歯磨き、髪の手入れ、髭剃り、化粧、爪切り、洗濯、食事、電話、お金の管理等である。訓練する事で残存視機能を効果的に活用する訓練を行う。時には、聴覚や触覚を併用して訓練する。
2 歩行
まず始めに患者が安全に室内歩行をする事が大切である。次の二つの方法がある。
a 患者自身の行動様式を変える:ゆっくり歩く。右左確認して防御姿勢をとり手を使って壁に沿って歩く。
b 環境を変える:床の段差をなくす。床とコントラストをつけるために壁紙を変える。
次に残存視機能を使って戸外での歩行評価を行う。必要であれば、白杖の使い方を教える。特に自校は夜間歩行には不可欠である。
3 コミュニケーション手段
a コンピューター
近年、視機能の低下した患者でもコンピューターを駆使して事務仕事をする事が充分可能である。フォントの拡大や白黒反転機能等のプログラムの発達によるものである。また、最近では一般汎用コンピューターにも音声合成プログラムが組み込まれた事で、個人ユーザーの視覚障害者でも簡単に操作でき就労継続が可能となっている。
b 点字
通常、点字訓締習得には膨大な時間を要するが、全盲に限らずロービジョン者でも習得希望があれば、点字訓練を行うようにしている。
一つのコミュニケーション手段で不充分な場合、様々な技術を組み合わせる必要がある。