3. 視覚障害リハビリテーション・サービスの形態

リハビリテーション・サービスに関しては、現在さまざまな形態がとられている。これらのサービス体系が組織的に整備される必要がある。収容施設型のサービスは、今まで多かったが、最近、在宅指導のサービス形態が強調されてきた。そのほかに、適所指導のサービス形態をもっている施設もある。法律的には、身体障害者更生援護施設、身体障害者福祉センターB型が主流である。わが国の更生援護施設は、社会福祉法人の組織をっくっているために、純粋なボランタリー施設が存在しない。社会福祉法人は、厳密に言うと、半官半民の組織である。日本では、施設運営が厚生省の主導のもとに展開されており、施設間の特徴がないのが現状である。むしろ、施設運営を自由にすべき時代にきているのではないかと思われる。

ところで、収容施設型のサービスは、一般的に、適所も認められている。また、収容施設型のサービスを提供している社会福祉法人でも、県や市の委託事業として訪問指導を実施しているところもある。在宅指導を行っている施設は、社会福祉法人としての認可を受けていないところが多く、障害者協議団体や財団法人のところである。

視覚障害者のリハビリテーション・サービスは、大別すると、施設型と訪問型に分類されるが、それぞれ長所と欠点をもっている。収容施設型のサービスは、専門職員が多種であり多様なサービスを受けられること、視覚障害者の仲間がたくさんいることによって障害について語り合えたり、将来人生設計の話合いができ障害を認容するのに環境がよいこと、医学的管理が整備されているので全身病など定期的に診察を受けやすいことなどの長所をもっ。その一方、施設に適応する必要があり人によっては施設への適応が難しい場合がでてくること、生活訓練を行っても地域に帰って生活技術を適用できない場合がでてくることなどの欠点もある。

訪問型のサービスは、収容型と比較して、施設に適応する時間的、行動的、精神的な面がなくなること、生活に直結した生活ニーズに応じた訓練を受けられること、地域に根差した生活ができること、家庭の事情で施設に行けない人でも訓練を受けられることなどの長所をもつ、他方、視覚障害者の仲間に出会うことが少ないこと、医学的管理を必要とする疾患の場合に対応が難しいこと、多種の専門職員にサービスを受けられないことなどの欠点をもっている。

これらの長所や欠点は、現状を述べているだけであり、必ずしも本質的なものではない。サービスネットワークが発達すれば自ずと変化する。いずれにしても、施設型機能と訪問型機能を分化させ、サービスを機能的にする必要がある。施設といっても、その規模や機能は、異なっており、視覚障害者のニーズに対応して機能分化を果たすべき時代にきている。これは、今後の大きな課題である。

投稿日:1997年3月1日 更新日:

みんぐる

スマビー

PAGE TOP