3 脳卒中機能回復予測システム(RES)の開発

過去十数年にわたり,我々は適切な尺度によって評価した1,000例以上の患者の情報をデータペースに貯えた。機能回復を予測するための重回帰式がデータベースと統計解析によって得られた。これらの式に患者の機能障害や能力低下,個人特性の変数を代入し,入院後4, 8, 12週(便宜的に1, 2, 3月と表示することもある)における各患者の機能的状態をリハビリテーション訓練開始時に予測する。こうして,脳卒中機能回復予測システム(Recovery Evaluating System : RES)が東北大学医学部附属リハビリテーション医学研究施設・附属病院鳴子分院において開発された。

RESの初版(RES-1)は1984年に稼働を始めた。RES-1は研究指向のシステムであり,機能障害と能力低下,個人情報をできるだけ多く収録したデータベースとして作成された。

その後、一般のリハビリテーション病院における実践的使用のためのシステムを作成するため, RESの改正(RES-2, RES-3)を反復し,評価に必要とされる項目(変数)の数を減らした。RES- 3は鳴子分院以外に複数のリハビリテーション病院で使用された。その結果,最小限度の変数としたシステムであるRES-4が完成した。RES-4は脳卒中リハビリテーション病院で一般的な利用 を可能とすることを意図して,パソコンで使用可能なソフトも作成されている(中村・他1997)。

投稿日:1999年3月31日 更新日:

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