[4]発症からの期間と皿IFSとの関係をどのようにして双曲線関数に近似させるか

TSOとMFSとの関係を双曲線関数に近似させるには,異なる過の2回のMFTデータでも可能ではあろうが、患者の将来のMFSを正確に予測する式を求めるためには,4回以上のMFTデータを用いることが望ましい.実際には,作業療法を開始してから4週で5回のMFTデータが得られ,帰結の予測は十分に可能となる.双曲線y=A-B/xへの近似は.TSOの逆数とMFSとの直線相関を計算することで行う.

ここで,yはMFS,XはTSO(過)である.x=1/Ⅹとすると.
y=A-B/Ⅹはy=A-BXとなる.
こうしてパラメータAとBが定まる.

図9に4週のデータで求めた式による8,12週のMFS予測値と8.12遇のMFS実測値との関係を示す.12週でMFSが90以上となっている患者では,実測値と予測値との差はやや大きい.われわれの臨床経験では,MFSが80以上の患者は日常生活でも患側上肢を用いている.MFSの予測は、予測されるMFSが90を超えない範囲に限定するのがよい.

近似によって得られた双曲線関数が統計的に有意である場合,以下の変数を推定することができる.図10では,A=80,B=321が代入されている.Aは漸近線であり,将来において到達の可能性があるMFSを意味している.A/2は到達可能なMFSの1/2であり,2B/AはMFSがA/2になる時期(週)を表している.A-√Bおよび√Bは双曲線の接線がy=Ⅹ+Cとなるポイントであり、この時期には1週間のMFS利得が1になる.このポイント以前は過ごとの利得は1よりも大きく、このポイント以降は1以下になる.2B/Aが小さいとMFSの回復ははやく、大きいとおそいことになる.

投稿日:2000年3月31日 更新日:

みんぐる

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