2) 間欠式バルーンカテーテル留置の手順

(1)手を洗う(図34)。手洗い後、ベッドに上がり、スカートやパンツをとり、軽く膝を曲げた長座位が座位バランスの安定性を保つのによい姿勢である。鏡を脚の間に置く(図36)。ハイレディ⑧を2セット用意し、1セットで両手をよく拭く(図35)。別な1セットを2つのシートに分けて準備しておく。

(2)尿道口を見つける。示指と薬指とで陰唇を開き、上方へ引き上げると尿道口が見やすくなる(図37)。図38は尿道口の位置を示したものである。

(3)ハイレディ⑧を使って、図39に示したように外陰部を数回拭く。拭く手順は、まず1つのシートを用いて尿道口を下方に向けて拭く。もう1つのシートで小陰唇を下方に向けて拭く。

(4)カテーテルの先端(遠位)からおよそ7cmの部分を母指と示指でつまむ(図40)カテーテルの反対側(近位)の出口にはリザーバーとキャップがついている。カテーテルを曲げ、近位部を薬指と小指の間にはさむと、カテーテル挿入が容易になる。

(5)ベッド上では、背中を丸くして骨盤を後ろに傾け(仙骨座り)、両下肢を開いた長座位とする。このような姿勢をとることで、尿道口を見つけるのが容易になる。腰部の支えは、この姿勢を保つのに役立つ。

(6)間欠式バルーンカテーテルの挿入は以下のようiこ行う。

①カテーテルを尿道口に4~5cm挿入する。必要であればカテーテルを少し回してみてもよいが、無理に押し込まないようにする(図41)(図42)。

②尿が出始めたら、さらに3cmぐらい押し込む。これはバルーンが尿道で膨らんだりしないように、バルーン部分を膀朕内にしっかり入れるようにするためである(図43)。
仮に挿入する長さが不充分な場合は、カテーテルが抜けてしまったり、あるいは尿道内でのバルーン留置となり、尿道出血や、尿道狭窄の原因ともなるので注意が必要である。

(7)カテーテル挿入後ファネル(出口)部分から、尿が出てくることを確認したら、リザーバーを軽く持ち上げクランプを外す(図44)。

(8)バルーンへ蒸留水を送り込む際には、リザーバーに空気が入らないようにするために、リザーバーを少し持ち上げ蒸留水をカテーテル側に寄せ、リザーバーを押し、バルーンへ蒸留水をゆっくり送り込む(図45)。

(9)リザーバーに蒸留水が戻らないようにクランプを閉じる(図46)。

(10)クランプした後に、カテーテルを持って、抵抗を感じるまでゆっくりバルーンを引き、勝胱内にバルーンが留置された状態を確認する。この時、カテーテルを強く引いたり、抵抗があった後さらに引くと、尿道を損傷させてしまうので無理に引かないようにする(図47)。

投稿日:2002年12月27日 更新日:

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