2)間欠式バルーンカテーテル留置の手順

(1)手を洗い、手を拭く(図9)(図10)。手洗い後、ベッドに上がり、パンツを下げ両下肢をやや開いた長座位とする。ハイレディ⑧で両手をよく拭く。陰茎亀頭も自己導尿と同じようにハイレディ⑧でよく拭く。

(2)カテーテルの先端(遠位)からおよそ7cmの部分を母指と示指でつまむ(図11)。カテーテルの反対側(近位)の出口にはリザーバーとキャップがついている。カテーテルを曲げ、近位部を薬指と小指の間にはさむと、カテーテル挿入が容易になる。

(3)間欠式バルーンカテーテルの挿入は以下のように行う。

①カテーテル挿入時の姿勢は、両下肢を開いた長座位とする。尿道口にカテーテルを挿入する時は、陰茎亀頭の基底部を持って、陰茎を真っすぐに持ち上げ、亀頭が上方を向くように陰茎を保つ。床面と陰茎とのなす角度が70度前後となるようにする。カテーテルを尿道口に6~7cm、真っすぐに挿入する。必要であればカテーテルを回してみてもよいが、無理に押し込まないようにする(図12)(図13)。

②尿が出始めるまでカテーテルを押し込むために、カテーテルを6~7cm挿入したら、さらにカテーテルを5cmぐらいずつ挿入していく。15~20cmぐらいまで挿入する。このあたりでカテーテルを押すのに外尿道括約筋による抵抗を感じるが、カテーテルをやや強く押し込む。

③尿が出始めたら、さらに3cmぐらい押し込む。これはバルーンが尿道で膨らんだりしないように、バルーン部分を勝胱内にしっかり入れるようにするためである(図14)。仮りに挿入する長さが不適切な場合は、尿道内でのバルーン留置となり、尿道出血や、尿道狭窄の原因ともなるので注意が必要である。

(4)カテーテル挿入後、ファネル(出口)部分から尿が出てくること(勝胱内にバルーン全体が入ったことを意味する)を確認したら、リザーバーを軽く持ち上げクランプを外す(図15)。

(5)バルーンへ蒸留水を送り込む際には、バルーンに空気が入らないようにするために、リザーバーを少し持ち上げ蒸留水をカテーテル側に寄せ、リザーバーを押し、バルーンへ蒸留水をゆっくり送り込む(図16)。

(6)リザーバーに蒸留水が戻らないようにクランプを閉じる(図17)。

(7)クランプした後に、カテーテルを持って、抵抗を感じるまでゆっくりバルーンを引き、膀胱内にバルーンが留置された状態を確認する。この時、カテーテルを強く引いたり、抵抗があった後さらに引くと、尿道を損傷させてしまうので無理には引かないようにする(図18)。

投稿日:2002年12月27日 更新日:

みんぐる

スマビー

PAGE TOP