(2)白杖の基本的な操作

① タッチテクニック
タッチテクニックは、安全かつ効率的に歩行するための白杖の基本的操作技術である。タッチテクニックで歩行することにより、2歩先の物体や段差を発見することができる。
a)白杖の握り方
グリップは手のひらの中心にくるようにし、人差し指をシャフトに沿ってまっすぐ伸ばし、他の指でグリップを握りこむ。手の甲は横を向ける。
b)白杖の構え方
白杖を持つ手首は、身体の正中線で、身体から離す。高さはおおよそ腰の位置あたりとする。

c)自校の操作
身体の正中線で、手首を支点に左右均等に弧を描くように白杖を振る。振り幅は肩幅よりやや広く、チップが肩から少しだけ外側に出る程度とする。弧を描く身体の正面では、チップを2~3cmほど浮かす。従って、チップは肩から少し外側の2点で地面に接触することになる。
次に白杖を振るリズムと歩行のタイミングについて説明する。右足を前に出す時にチップが左肩の外側で地面に軽く接触するように、左足を前に出す時には、チップが右肩の外側で地面に接触するように振る。また、足を踏み出して地面につけるのとチップが地面に触れるのが同時になるようにする。

② コンスタントコンタクト
チップを浮かさず、常に路面に接触させる方法をコンスタントコンタクトと言う。常に白杖を路面に接触させることにより、路面の手がかりを情報として入手しやすいため、安全に歩行することができる。路面が滑らかな場合や駅のプラットホーム等危険が予測される場所で有効な歩行技術である。

③ ショアラインテクニック誘導用ブロック、歩道の縁石、建物の壁等に沿って歩行する方法である。基本的な白杖操作はタッチテクニック、コンスタントコンタクトと同様であるが、白杖を振った一方が境界に触れるようにする。誘導用ブロックを伝いながらの歩行や誘導用ブロックの分岐部の発見に重要な歩行技術である。

④ Ⅰ・Dテクニック
ー般的にⅠ・D(Identification technique)テクニックは、視覚を活用可能なロービジョンの人ための操作方法である。グリップはタッチテクニックと同様に握り、手首を内側にねじるようにする。その場合、人差し指を握り込み、親指を伸ばして白杖をコントロールする方法でも良く、白杖は身体の正中線に対して対角線に構え、グリップの位置は腰の横、チップは反対側の肩の前方までもってくる。チップは路面から少し浮かせ、振らないようにする。

投稿日:2002年12月26日 更新日:

みんぐる

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