2.両親援助

難聴乳幼児の早期ハビリテーションを効果的に実施するためには、両親の役割が重要となる。専門家と親の問が信頼関係で結ばれ、良い協力関係があることが大切である。

<両親指導のゴール>

① 子供の障害を正しく理解し、受け入れる。
② 子供の気持、興味や関心に気づく。
③ 子供に共感できる。
④ 子供と楽しく関われる。
⑤ 子供のレベルにあったコミュニケーションができる。
⑥ 子供に必要なコミュニケーションモデルとなれる。
⑦ 子供に必要な聴覚的環境を準備できる。
⑧ 子供に必要なことばの環境を準備できる。
⑨ 遊びや活動を繰り返し、継続できる。
⑲ 難聴児にも分かる生活の仕方ができる。
⑪ 家族全体の協力が得られる。

<両親指導の内容>

① 親の責任、自覚を育てる。
●カウンセリング
●障害、将来への展望についてのガイダンス
●同じ障害をもつ親や親の会の紹介

② コミュニケーションパートナーとしての親の役割や技能を育てる。
●専門家と子供とのコミュニケーションの観察
●母子コミュニケーションの実習:遊びの場面、日常生活場面

③ 難聴に対する理解をはかり、必要な知識を学ぶ。
●聞こえと難聴に対する一般的知識
●自分の子供の聞こえとそれに対する一般的注意
●補聴器とその取り扱い
●医学的治療、検査

④ 子供の発達や学習について知る。
●こどもの発達
●聴覚的学習と言語学習

⑤ 自分の子供の個性、発達や学習の傾向を知る。
●実際の関わりの中で親の気づきを促す
●記録、ビデオなどの利用

専門家は、親の気持、考え、性格、家庭状況、経済状態などを把握し、それに合わせて指導する必要がある。難聴診断直後の精神的なショック状態に対しては、それに共感し、受容的な気持で接することが必要である。

投稿日:1997年3月1日 更新日:

みんぐる

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